「スパゲッティ・ライフルの一発」のこと 2

MilanoのリストランテL’Aretinoで初めてスパゲッティ・ライフルの一発を食べたのはもう20年ほど前になるでしょうか。まさに衝撃的な味で文字通りライフルの一発をドカンとやられたようにハマッテシマイマシタ。

住んでいるところがMilanoの隣の県Bergamoで、事務所もBergamoだったので、仕事の関係でMilanoに出た時にしか食べられないのだが、やはり食べたい時に食べたいので、自宅で再現しようと何度も繰り返し作り、L’Aretinoに行った時にはフロア係であったオーナーシェフの奥さんに部分部分をそれとなく聞きだすなど、で再現したものです。

L’Aretinoに行き始めた20年ほど前は、殆ど日本人客は居なかったのですが、私が連れて行ったお客さんや友人が又他の人を連れてゆくなどで、数年後には小さいリストランテのため、国際的な展示会の時など日本人で満員になり、もともとMilano の会社のマネージャークラスが常連だった店からMilaneseが減少することになってしまったくらいです。

このため、オーナーシェフの奥さんから、お前のお陰で随分売上が減少してしまったとクレームされたくらいです。と言うのは、イタリア人の場合、前菜は抜くことがあっても、プリモ(第一の皿)であるパスタやスープ、セコンド(第二の皿、メインディッシュ)を必ず注文するのですが、日本のお客さんはスパゲッティ・ライフルの一発だけを食べて終わりという人も結構居るからで、お客さんの数は同じでも売上は激減するわけです。

このRistorannte L’Aretinoはもう7~8年前にオーナー夫妻が高齢で閉店してしまいましたので、二度と味わうことが出来ないわけですが、タヴェルナ アズーラのライフルの一発は相当以上に再現しているつもりです。

その証拠に、テレビで報道されたあと、L’Aretino でオリジナルを良く食べていた人が、15~6人はおいでになったでしょか。そして嬉しいことにパスタソース・ライフルの一発瓶詰めも購入してゆかれましたし、中にはミラノへ出張した時に現地の駐在員に大阪のアメリカ村で例のライフルの一発を出している店が有ると聞いた東京の人が、大阪出張の機会に来店されたケースもあります。