今年の1月から新聞を購読するのを辞めた。
内容があまりにも浅薄の様に思うからです。大衆迎合というか、どうも節操が無い。
例えば、自民党時代に民社党を応援するようなことを書き、民社党が勝てば民社党の荒さがし。果ては自国の総理大臣を味噌糞に扱うなど、浅はかでも大衆を喜ばせればよいと思っている様な記事が多い。
忙しい性もあるけれど、テレビもあまり見ない。見るのは龍馬伝と吉本が出ていないニュース番組くらい。
活字になれなければいけないので、最近文芸春秋を買うことにした。文芸春秋も昔と比べてどっしりした意見論文はあまり見かけないけれど、少しは読みごたえのあるものがある。
文芸春秋では巻頭の随筆と言うか、いろんな人が短い寄稿をしている。先日まで阿川弘之さんがトップを書いていたが、年齢を理由に辞任。
締めくくりに塩野七生さんが書いている。Zio Rossoもイタリアが長い故もあるかもしれないけれど、塩野さんの意見には何時も拍手喝さいを送る気持ちで読んでいる。視点が私のような凡人と違うのである。
塩野さんの著作を読んだのはもう20年以上前であったろうか。神々の代理人と言う題のカソリックについて書いたものでした。そこで宗教というものについての理解が深まったような気分がしたものだ。
塩野さんも新聞購読を辞めた、テレビを見ない、らしい。その理由を今月号で書いているのだが、納得納得、嬉しくなってくる。
少し前にトヨタ車のアメリカでのリコール問題を書いていたが、イタリアではこんなリコールは絶対起こらないと書いていた。
イタリア人は車のことを知っているし、車が好きなので、少々車の調子が悪くても自分の運転技術が拙劣なことを知られたくもないので、黙って修理して乗るそうです。リコールするのが格好悪いのです。
イタリアでは90%以上マニアル車に乗っている。オートマチックの車はほとんど売れない。
アメリカは逆で殆どの車はオートマチック。少しでも調子が悪いと車のせいにして、自分の運転が悪いのは棚上げ。
弁護士費用は成功報酬なので、訴訟はやり放題。日本のように着手料相談料払わなくてよいから、弁護士もチョットしたことでも損害賠償請求訴訟に持ち込む。そうしないと弁護士料を稼げないから。
塩野さんの短い文章を読むだけでも、文芸春秋を読む値打ちがあるようです。