日本のイタリアン

久しぶりにイタリア人のお客さんが来た。

日本語を勉強するための滞日で、ジェノヴァのお嬢さん。久しぶりなのでイタリア語でチョット会話。少々心配だったが、相手がイタリア人だと何となくイタリア語も出てくるようだ。

ラザーニアをご注文。久しぶりにイタリアらしい物を食べたと喜んでくれた。

聞いてみると、時々イタリア食を食べたくなって、イタリアン・レストランに行くらしいが、やはり”日本のイタリアン”なので満足できないとのこと。それは私もカミサンと何時も話していたことなので、わが意を得たりの感じ。

色々考えたのだが、致命的なのは、オリーブオイルの使用が少ないこと。タヴェルナ アズーラのオリーブオイルの使用量はかなりのもの。一人前のスパゲッティで使用するオリーブオイルの原価は、キッチリ計算をしていないけれど70円位になるように思う。

確かにオリーブオイルは癖があって、慣れない人には香りや重さで難しい面があるのは否定しないが、使い方によっては問題ないし、健康にも良い。

ある日本のイタリアン料理人が書いた本によると、普通オリーブオイルを使うところをサラダオイルを使用したりしている。

この料理人はオリーブオイルはエクストラ・ヴァージンしか使用しないと自慢気に書いてあったけれど、イタリアではExtra Vergineはサラダなどオイルをそのまま生で使用する時に使うのが普通で、煮炊きなど火を通す料理用にはピュアーオリーブオイルを使用するのが普通の使い方。

ピュアーオリーブオイルは癖は無いが、成分はエクストラヴァージンと殆ど変わらないので、料理用にはピッタリ。

オリーブオイルは価格が高いので、オリーブオイルを使用するところをサラダオイルで代替する意味もあるのだろうが、イタリア料理を称する以上、出来るだけイタリアで食べる料理に近くして欲しいものです。

Zio Rosso の場合、イタリア生活30年はアイデンティティの一つなので、出来るだけイタリアで食べていたそのまんまのイタリア料理を提供したいと心がけているので、イタリア人に本当のイタリア食と評価して貰えたのは大変嬉しいことです。

ちなみに、タヴェルナ アズーラには、オリーブオイル以外のオイルはバター以外置いておりません。